木村剛氏の逮捕のこととか

2010/07/15

と,書き出してみたけれど,あまり書くこともない。ひとつ思うのは,すばらしいことを言うことと,それを実行することには,それぞれ別の才能というか心性というかそういうものが必要なんじゃないか,ということ。

今回の検査妨害(メール削除)の被疑事実は,当然入り口なわけで,それだけで見たら大した話じゃない。証拠がそろっていて裁判所に身柄が移るようなら(証拠隠滅の口裏を合わせる通話記録が押収されているそうだが,よく知らない),処遇はどうあれ有罪判決は免れない。でも,それだけで見たら,ただそれだけの話。

どの事件についてもそうだけれども,あたしゃ個人的に,刑事事件に関与した人間を「倫理的に」評価することはなるべく避けることにしています。法益の観点から被疑事実に基づいて言えることだけを言うことにしている(つもり)。したがって,今回の被疑事実だけをもって,木村氏の人間性なりなんなりを評価するつもりはありません。特に,今回の逮捕は政治的な事情も絡んでいるので,「だから新自由主義は」とか「小泉政治のほげほげ」とかいった話をするのは(思うつぼで)危険だと思うし,実質的には無関係なんだと思います。

しかし,木村氏の行動を評価するに当たって冒頭のように書いたのは,次の記事にゲンナリくるものがあったから。やるなぁ……。

asahi.com(朝日新聞社):木村前会長、検査中に振興銀株手放す 高値で大量売却か - 社会

振興銀行は公開会社じゃないのでインサイダーには当たらないらしいけれども,一市民の行動に対する法的な評価(刑事的な評価)としてはともかく,経済人・金融人一般の倫理としてどうなんだというのはある。今までさんざっぱら経済・金融ひいては政治の sollen を主張してきた人間がとる行動として,この行動はこの業界でどのように評価されるべきものなんだろう。そして,その倫理に対して,この業界はどのような手当てを講じているのだろう。

ま,これから民事訴訟で資金が必要になるだろうから,それでトントンといったところなんだろうか。

Site Navigation
SNS Accounts (@aian)

普段はここら辺に住んでいます.