今日やっつけた本 - 『統計のための行列代数 上』

2009/09/04

この頃はお勉強本ばっかやっつけてるもんで,興味のない方は全く興味がないんでしょうけど,ネタがあまりないから,メモがてら。

線形代数のテキスト。線形代数は,あたしゃ高校と大学の教養とで少しかじっただけだったんですけれど,いい加減ちゃんとやらなきゃまずい,つかすでに手遅れ感すら漂っているので,ちとガッツリとやることにしたのでした。

ただ,この話は以前もしていて,その時は『プログラミングのための線形代数』を紹介していたりします。それでも,分かった感がないのはどうしたもんだろう,と思っていたのでした。ま,物覚えが悪いってことなんですが。

ただ,『統計…上』を終えてなんとなく感じたことなんですけれど,これはおそらく,『プログラミング…』の扱っている線形代数の焦点が,あたしの想定しているところと少しずれていたからなんじゃないかとも思っています。想定しているところというのは,画像解析の統計的なアプローチで使われている線形代数。結局,元をたどれば同じことなんですけれど,経験が浅いもんで,どうしても知りたいところと結びつかなかったのでした。

例えば,『プログラミング…』では,「行列は写像だ」と強調されるわけで,それはそうなんですけれど,ある行列が特徴ベクトルを移す写像だということが分かっても,「そう解釈できる」ということ以上に取り出せることが少ないもんで,なんだか話がどんどん逸れている感じがしてしまう。

画像を確率分布でもって解析する場合,回帰分析だったら,どんな本でも,まず最小二乗法が取り上げられます。理屈や数式は簡単で,解き方の発想も「偏微分して極値を0と置けばいいのね」くらい,高校生でも分かる。ベクトルの場合も,変数になるベクトルで偏微分した式を0と置けばいいのだろうな,というのも分かる。けど,まずもって,行列の微分の仕方が分からない。そんなの線形代数のテキストに書いてない。そもそも,行列を微分するってのは,どういう意味なんだ?それは「行列が写像である」こととどのように関連してるんだ?とかとか……いろいろ考えてると,先に進めなくなってしまう。先にも書いたとおり,元をたどれば同じことなんだけれども,ものすごく遠回りに感じてしまう,と。

本書(『統計…』)は,「統計のための」と題してあるものの,実際に具体的な統計問題を解くわけではありません。オーソドックスに行列の定義から始まって,線形空間,逆行列,そしてその他の応用問題へと話が進んでいきます。けど,各章の冒頭では,その章で扱う内容が統計学上に現れる場面が少しだけ説明されている。これ,なにげなく書かれているんですけれど,非常に役に立ちました。線形代数の問題領域を統計用にカスタマイズしてくれている感じ。しかも,中身は各定理について丁寧な証明付き。

また,上巻で1章を割いて行列の微分が議論されている点も,役立ちました。これ,ほんといきなり躓いてトラウマになってしまったもんで。

一応,手元に下巻も用意したんですけれど,もう一度,他書の問題も解きつつ上巻を読むつもり。統計本への受身っぷりが,にんともかんともなもんで,克服したいところ。

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