昨日買ったアルバム - 『アルトコロニーの定理』

2009/06/02

RADWIMPS はコアなファンがたくさんいるようなので,あたしみたいな途中から入ったようなのが言うのもアレなんだろうけれども,良かったですよ。確かな演奏力とアレンジメント。こゆバンドは,今時稀有だと思う。「ノリでギター持ってみました」みたいなのとは天と地ほどの差がある。比べるのもなんなんだけど。

37458 RADWIMPS 2009年

あたしの場合,普段はほとんど楽器中心に聴くもんで,歌詞はほとんど聴いてなかったりします。そゆいつもの聴き方では,M2「おしゃかさま」のパーカシッヴな曲はよかった。スラップゴリゴリかっこいい。M6「One man live」の変拍子も,ばっちりアレンジされていてかっこよかったです。Vo も含めて,基本的にみんな上手いんですけど,ベースが特に上手かった。びっくりした。

一方で,今回は歌詞の方も聴いてみました。

なんつかですね,時代の閉塞感っつのは,いろいろなところでメッセージになると思うわけで,このアルバムもそういったメッセージ的な側面はあるんだと思うんです。この点で流行りなのは,超素朴路線のヤンキー系メッセージ(「母ちゃんありがとう系」とか「素朴にお前が大好きだ系」とか)だと思うんですけれど,個人的に,こういったヤンキー的な「外れてるからこそピュア」みたいなメッセージは,とても卑怯だと思っていたりする。これについては言いたいことがたくさんあるので,また別の機会にでも。

アルバムの話に戻ると,M12「37458」が一番ストレートにメッセージが出ていたと思います。他は反語がかなり利いているので,字面の歌詞は浅く見えても,意味をとるのは難しい。つことで,M12 から少し引用します。

このなんとでも言える世界がいやだ
何の気なしに見ていたい ただ ただそれだけなのに
このどうとでもとれる世界がいやだ
どうでもいい もう黙っててパパ 黙っててパパ

[2] 37458. RADWIMPS. 2009年.

自由だからこそ,無限に連鎖する解釈があるからこそ閉塞する感じ。もう,疲れ果てちゃってる感じ。よく出てると思います。この寄る辺のなさに対して,よりどころを「母ちゃん」や「お前」に求めないところ,「黙っててパパ」に求めるところは,良いセンスだと素朴に思います。ちょっとグッときた。

で,この歌詞そのものにも再帰的な自己言及があるわけで,

こんなに歌唄えちゃう世界がいやだ

[3] 37458. RADWIMPS. 2009年.

となってしまう。まさに宙ぶらりん。

もう沈黙するしかないのか。けれど「なんとも言えない想い」はある。ここら辺の葛藤が,まさに現在の情況を指し示しているんじゃないかと思ったりします。言葉がありすぎて不自由になる感じ。こゆとこで「母ちゃん」とかに逃げんなよ,と思う。

このアルバムは,曲調にバラエティがあるので,好きな曲調に当たる可能性は高いんだと思います。ファンクあり,ブリティッシュ・ロック調あり,ロックバラードあり,渋谷系(!)あり,フォーク調ありと,さまざまな側面から楽しめます。それだけ,当人が芸達者だってことなんでしょうけどね。

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