超絶技巧でアホをやる芸について

2008/12/21

かなり前に iPod を剥き身にしてしまって以来,しばらく外で音楽を聴いてなかったんですけれど(※まだあります,バラけたまま),先日,中古の iPod touch を買い受けたもんで,昔聴いてた音楽を聴き直してみました。

聴いてたのはこちら。以前ドラムを叩いていたことがあるもんで,当時死ぬほど聴いてました。

PRIMUS。改めてこのバンドはすごいと思いました。リズム隊(ベースやドラム)が好きな人は,Marcus Miller や Flea もいいけれど,是非聴いて欲しいです。"John The Fisherman"(M1)のイントロなんかは,Rush の"YYZ"("Exit...Stage Left"(M3))のパクリなんですけれど,これをパクるっていう根性がアホというかスゲーというか,もうゴニョゴニョなのです。ちなみに,YYZ で Neil Peart が叩くドラムソロは,ドラムを叩く人なら必聴です(偉そうだけど)。

PRIMUS の魅力は,なんといっても「ものすごいテクニックを持っているにもかかわらず,アホなことをやるところ」にあるんだと思います。たしかに,世の中には超絶な演奏テクニックを持っている人がたくさんいます。けど,これをアホな方面に転用できる人ってのは,そうそういない。「超絶技巧を持っているからこそできるアホ」なるもんを知らされて,当時(高校生の頃)ものすごく衝撃を受けたのを覚えています。低音主体の超絶技巧でアホをやるっていうと,初期の Red Hot Chili Peppers なんかも当てはまると思うんですけれど,PRIMUS のそれは,それどころじゃない。

高校生の当時,「ものすごいテクニックを持っているにもかかわらず,アホなことをができる」ってなことについて,異常に執着していたことがあって,その方面ばかり聴いてたことがありました。ものすごいテクニックを真面目にできるのは,芸人として当たり前。問題はそこから先で,技術を技術(= その方面の専門)にとどめずに,エンタメに昇華することができるのかってなところに,本当の意味の「芸」あるんじゃないだろうか,とか云々。

このことは,今でもプログラミングとか絵を描く人にも当てはめているところがあって,「超絶技巧そのもの」の「芸」については,割と軽視しているところがあったりします。「その技術があることは分かった。で,その技術を使ってあなたは(あるいは私は)どうやって人を楽しませるの?」みたいな問いが常に付きまとっている。もちろん,技術もないのに「芸」だと言い張るのは問題外だと思うんですが。

話は少し変わるけれども,インターネット関連の技術も,個人的には「芸の場」だと思っているところがあったりします。この頃は,いろいろなウェブサービスが出ているわけですけれど,少し前はもう少し実験的な風味が強くて,個々人の芸を見せやすい場だったんだと思います。しかし,この頃は,飛び抜けたアホを輩出する環境でなくなってきたのではないだろうか。Rails やら Struts やらが流行ったので,「平均的な芸」を見せることは容易になったとは思うんですけどね。超絶技巧に裏打ちされたアホをやる人が,いなくなってきた感じがする。ま,あたしのアンテナが低いせいもあるんでしょうけど。

この点,語弊があるかもしれないけれど,Winny なんかは「芸」として上出来だったんだと思います。こゆ話がマジ話としてタイーホとかいうことになっちゃうのは,なんともゴニョゴニョ。技術が発達するチャンネルとして,こゆチャンネルは軽視されている気もする。もっとみんなアホやってもいいと思うんだけれど。

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