週末読んでた漫画 - ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ(1)

2008/04/07

Amazon レビューではひどい書かれ方してるけど,個人的にはそれなりに満足。てか,そんなにパンチラにこだわらんでも,普通に読めばいいのでは……。

原作は『NHKにようこそ!』でおなじみ,滝本竜彦のラノベ。

あのですね。あたしゃ思うんですけれど,この作品は,マンガ的リアリティとか,それを求めるオタク諸氏に対する滝本氏なりの批評-批判だと思うんです。以下ネタバレ注意。

話は単純で,何でか分からないけれど「チェーンソー男」と戦うことになってしまったヒロイン(戦闘美少女)と,平凡で目標のない日常でモヤモヤしている主人公のラブコメモノです。ここで,主人公は普通の人間だから,ヒロインとチェーンソー男との戦闘にはまったく参加できません。戦闘の現場に彼女を送り届けることくらいしかできない。ヒロインの非日常とは対照的に,主人公は,あくまでも日常から非日常を覗いているだけ……というわけです。

で,まさにこの構図こそが,アニメ-マンガの世界と「私」の間にある決定的な断絶なわけで,すなわち「ネガティブハッピー」なんだ,と……。アニメ-マンガの世界は分かりやすい。ちゃんと悪者がいて,理由はともかく,それを倒すことが至上の目的となっている。それと比べて,今時の現実は,「…オレたちは昔の人みたいにバカじゃねーから機動隊に火炎瓶投げたりしねーだろ」(※引用です)な,世界だったりする。ここら辺のどうしようもない距離感を,「大人」にいわゆる「現実逃避」の一言で一蹴できるもんなのか……。考える余地があると思うんですね。

と,まあそんな意味を含めて読むと,本作品は,かなりメタ的な視点で書かれている。本書の表紙は,金網フェンスを隔てて,主人公がヒロインを眺めているシーンが描かれているんですけれど,そこら辺の描写も象徴的だと思ったりします。

個人的に戦闘美少女の世界に同一化する,というのは,その世界の当事者として(戦闘美少女とは別個の人格として)参与することではなくて,「戦闘美少女そのものになる」あるいは「戦闘美少女になりたい」ことなんだと思っていたりします。別人格の当事者として参加するんだたら,物語の外部(現実の自分)をひきずってるわけですし。んなもんで,滝本氏の世界観とはちょっと違います。

それにしても,最近は,ラノベとマンガとアニメの行き来が激しくて,何が原作なのかよく分からなくなってます。そもそも,原作とかはあまり意味がなくなっているんでしょうけど,ひとつのメディアに入れ込むと,他のメディアのそれに取っ付くのが面倒に……と,オッサン的言。

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