最近読んだ本 - 『FREEDOM フットマークデイズ』とか『めろめろ』とか

2007/12/05

先日「FEEDOM…」の1巻を読んだので,2巻に進みました。今回は,エデンに残されたカズマの話。

思春期モノなわけですけれど,おそらく……というか確実に,10代の感想と自分の感想は次元が違うんだろうなー,とか思います。当事者と傍観者の違いみたいな……もう年じゃて。

一方,あとがきによると,本巻は『空間管理社会―監視と自由のパラドックス』に「大いにインンスパイアされた」んだそうです。あたしも「空間管理社会…」は読んだことがあるもんで,「そういや,ああ……たしかにインスパイアされてるかもね」なところもチラホラとあります。他方で,あたかも自由と社会契約が二項対立しているかのように描かれているのを見ると,なんというか,「閉塞感たっぷり」といった印象です。

自由の本質と,本書で描かれるようなフロンティアイズムってのは,割と近しいところがあると思っていて,「FREEDOM…」はその点をうまく突いていると思います。「自由」なるもんは,単純に考えれば「できること」なわけですけれど,例えば,「人間が空を飛べない」ことについて,普通,自由が抑圧(あるいは侵害)されているとは言いません。そこには,絶えず「可能性」の問題があるわけで,つまり「できるのにできない」時に自由が立ち現れるんじゃないかと思うんです。言いかえれば,「どうやったってできない」ところに「自由」そのものを観念することはできない……と。

で,問題なのは,「人間ができること」について,人間自身がよく分かっていないこと。そこに,フロンティアイズムと自由の結節点があるんだと思うんですけれど……長くなりそうなので,これはまた別の機会に。

続きまして,おじゃる丸でおなじみの犬丸りん氏の短編集。

Amazon の書評は,割とほのぼのとした評価だけれども,本作にはどうも違和感があります。あたしゃ著者の作品が好きなので,悪口を書こうと思っているわけじゃありません。けれど,この違和感は独特です。

犬丸りん氏の作品は,絵本調のやわらかな──そして時にユーモアのある──文体で描かれます。けれど,本作は,それを逆手に取っている感じが拭えませんでした。かなりの悲劇であったり,どうしようもない絶望だったり,といったシチュエーションを,あえて絵本調の文体で書き起したような感じです。

しかも,本書に収録されている作品の多くには,オチがない。「よかった,よかった」あるいは「残念,残念」と思わせるような結末がないものばかりだったりします。それは,シチューエションを維持したまま,静かにフェードアウトしていきます。本書を読んで「いい結末だ」と思うことがあるとしたら,それはおそらく絵本調の文体の影響を受けてのことなんじゃないでしょうか。

いい作品ですけれど,ちょっと余裕がないと,心の健康にはきびしい感じがします。

と,そんなこんなで,積み本もかなりまとまってきました。年内に読み切るべくラストスパート。

Site Navigation
SNS Accounts (@aian)

普段はここら辺に住んでいます.