今日買った本 - 東京大学「ノイズ文化論」講義

2007/08/24

このサイトでも「ノイズ」についてちょっと考えていたので,目に付いた本を買ってみました。

まだ数回分しか読んでいないので,全体の評価は措いておくことにします。それはそのうち。

本書は「ノイズの擁護」といった視点から,マイノリティや不合理性に目を向けよう……云々な話が中心となっています。ただ,その言説は自己愛に満ちている……(と思う)。

「ノイズ」なるものが,不合理性やマイノリティに通じているのは,もはや自明のことなので,2000円の単価を支払ってまで講義を受ける必要はありません。あちこちで言われることですしね。ここでの問題は,むしろ「擁護」という名目を留保しているとはいえ,それをノイズと「言い当てること」ことにある。というのも,その時点で,ノイズと非ノイズが分節化してしまうからです。んでもって,この分節化の視点は,常に「非ノイズ」の視点にならざるを得ません。つまるところ,ノイズを擁護していても,逆説的に非ノイズの権力性を強化してしまうところが問題だと思うわけです。

ここで「問題」と言っているのは,マイノリティに対するナイーブなヒューマニズムみたいなもんじゃありません。そうではなくて,マイノリティ云々がどうであれ,不合理やマイノリティといった言葉を用いること自体が合理やマジョリティに「基づく」言説だということです。その意味で言うと,本書に言う「ノイズ」は権力に対抗する概念でありながら権力に寄り添う概念でもあるように思えます。

ノイズをノイズとして語るための分析的な視点が,今いち感じられないなぁ……と(今のところ)思っています。

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