攻殻機動隊『イノセンス』とダナ・ハラウェイ

2006/11/15

たまたま読んでいた本の話が Wikipedia に載っていたのでメモ。

科学技術の進展をフェミニズムおよびジェンダーの視点で考察している。サイボーグ・フェミニズムの提唱者として知られ、映画『イノセンス』に「ハラウェイ」というキャラクターが登場している。

「イノセンス」に出てくるハラウェイは,物語冒頭で事件を起こした人形を調べる所轄の検屍官として登場します。「ミスもミセスも要らないわ」みたいなセリフが出てくるから,多分そうなんだろうな……と思っていたけれども,やっぱりダナ・ハラウェイがモチーフだったんですね。今さら何言ってるんだ,ってな声も聞こえてきそうですけど……。

サイボーグ・フェミニズムというのは,この本。

サイボーグ・フェミニズム ダナ ハラウェイ, ジェシカ・アマンダ サーモンスン, サミュエル ディレイニー 水声社

本書は1985年 Socialist Review 誌初出の論文「サイボーグ宣言――1980年代の科学とテクノロジー、そして社会主義フェミニズムについて」と,それにまつわる評論をまとめたものです。一般にフェミニズムというと,社会主義フェミニズムなりラディカル・フェミニズムなりを連想することが多いけれども,本書はそれらを批判的に検討しています。つまるところ,「女性」を語っている(認識している)時点で,その認識自体が体制に組み込まれる契機になっているとかなっていないとか,そんな話。

サイボーグは元々エデンの花園にもいなければ,「女」の腹から生まれてきたわけでもない。んでもって,それは,無垢の存在としての「人間==男性」ひいては「動物と人間の境界」を侵犯する存在として立ち現れるんだそうです。あたしゃまだがっつり読んでないので,まだ「それがどうした」な状態なんですが……。本書は,社会主義フェミニズムであれラディカル・フェミニズムであれ,「白人アメリカ女性によるフェミニズム」みたいな括りを前提としているもんで,そこら辺の事情も踏まえないといけないのかもしれません。特に,有色人女性をフックにしてサイボーグの隠喩を論じる部分なんかは,西欧主義的な匂いが微かに感じられてしまいます。

一方で,何にも増して謎なのが,『イノセンス』との関係です。一応,手元には以下の本があって,『イノセンス』が身体論を扱っていることは,「へー」とかいった程度には踏まえていました。

けれど,『サイボーグ…』の方は,一応身体論にも触れているものの,『イノセンス』の問題意識とは少し離れている気がします。どこがどうやって繋がってるんだろ……繋がってないのか?まだサラッと読んだだけなので,もう少し立ち入って読んでみることにします。

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