現代思想の見取り図本

2006/08/14

今月の積み本消化ランキング暫定1位。

今時ポストモダンなんて言ってるやついねーよ,というか,思想界隈自体がグッタリしているわけですが……。そのポストモダンが,現在どのように変容しているか分かりやすく解説した本です。今日の思想状況の見取り図を提供しています。

今日的な政治的・思想的状況には,「自由を求めれば求めるほど管理されていく」というアポリアがあるとされていて(例:監視カメラ),フーコーもドゥルーズも困っていたのでした。けれど,この困惑が読者に伝わっていたかというと,そういうわけでもないみたい。いかんせん現代思想は抽象性がえらく高いもんで,辛抱強く読まないと,思想的な課題を「現在の問題」としてリアルに捉えることができなくなりがちです。特に日本の紹介本の場合,ただでさえ分かりにくい思想に,ペダンティックな言説が混淆しちゃうもんで,余計に分かりにくくなるという……。

本書は,冒頭で「深淵だが濁っている言説より、浅薄でも明快な議論を選んだ」としているとおり,取っ掛かりを作りをまず優先しているようです。現代思想がどんどん浮世離れしていくところに,こうした本が出てきたのはある意味必然だったのかもしれません。ブックガイドも付いていて良心的。

基本的には政治思想について扱っている本ですけれど,フーコーやドゥルーズ,デリダやジジェクといった思想家の入門書としても,いけていると思います。

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